日本のチカラ

ドキュメンタリー/教養

日本のチカラ#415🈑 マダムナンシー〜鄭徳財(ていとくざい)の人生〜

すらりと伸びた美脚にハイヒール、そしてお手製のおしゃれなドレス。79歳の今もその妖艶さに圧倒されます。鄭(てい) 徳(とく)財(ざい)、ひと呼んでマダムナンシー

1月13日 月曜 10:25 -10:55 南海放送1

華僑の2世、戸籍は男性。見た目はまさにマダム、でもその中身は…。新型コロナまでは、昼はオーダーメイドの洋装店、夜は特技の一人デュエットでお客を沸かせるラウンジ「マダム南支(なんしー)」のママでした。しばらくお休みしていましたが、現在は洋裁の仕事を再開。残念ながらラウンジは今も休業中。若いボーイフレンドがいる!と公言するナンシー、結婚はしませんでした。その恋愛観も番組の中で語っています。
福建省出身の父と、幼いころ女中として上海に売られた母。貧しい暮らしから逃れるため海を越えた両親の壮絶な人生…ナンシーの生き方に大きな影響を与えました。そんなナンシーの人生哲学とは…。ナンシー怒涛の人生は生後4か月にして始まります。8月9日長崎に投下された原爆で母とともに被爆。ナンシー自身に、原爆の記憶はありません。母から伝え聞いたあの日のこと…。
原爆を生き抜き、決して裕福ではなく、読み書きができなかった両親は、長男のナンシーに大きな期待をよせ、母国語を学ばせるため、12歳で横浜中華学院に進学させます。横浜はナンシーにとって特別な場所。先輩たちが語るあのころのナンシー。華僑、トランスジェンダー、被爆者。3つのマイノリティでありながら、豪快で、たくましく、そしてとびきりチャーミング。マダムナンシーの世界をどうぞご堪能ください!

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    参考文献 『クィアの民俗学』(実生社)