ダイドーグループ日本の祭り ＃613　瀧山寺鬼祭り【愛知県】

ダイドーグループは、全国各地に伝わる日本古来の文化である祭りを総力を挙げて記録し、応援し続けています。その中から優秀作品を厳選しご紹介します。

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愛知県岡崎市の瀧山寺は、奈良時代に創建された古刹で、天台宗の寺院である。境内には国指定重要文化財を有し、運慶と、その息子、湛慶による仏像彫刻が人々の祈りを受け止めている。そして、鎌倉時代からおよそ８００年、奇祭「鬼祭り」を伝え続けている。起源は、源頼朝の祈願により始められたと伝えられる。その祭りに登場する鬼面は「祖父面」「祖父母」「孫面」の３面。
鬼(邪気)を祓うのが慣わしという概念がある中、この祭りに登場する鬼たちは、彼らが邪鬼を祓う役目を担っている。ゆえに彼らは、鉞や撞木、鏡餅など神霊の依り代や、太陽を意味する道具を手にしている。人々の心の支えとして寺に住まう仏像や、鬼面。そして激しく乱舞する炎、生身の肉体の躍動との融合の中に、この奇妙にも鬼に福を託した人々の祈りの深さを見つめる。

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