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いのちのとりで
ドキュメンタリー/教養
FNSドキュメンタリー大賞 いのちのとりで
戦後間もない日本社会。“国が全ての国民を守る。”崇高な理想の下に制定された「生活保護法」。しかし、それから約70年…理想は大きく揺れていた。
12月25日 水曜 4:29 -5:25 関西テレビ1
今、生活保護をめぐって、全国各地で切実な声が上がっている。国が引き下げた生活保護費、「最低限度の生活さえできない」と全国各地で裁判が起きていた。カメラがその現実に入っていく。生活保護を引き下げられ、厳しい暮らしを強いられた人がいた。生活保護そのものを打ち切られた人もいた。受け取ることもできず、困窮する人もいた。社会が映し出されていく。鹿児島市に住む81歳の女性は明日を暮らすことのできない人たちに
支援の手を伸ばす。80歳の弁護士は理不尽な思いを語る。「生活保護の問題は一握りの人の問題ではない。亡くなられた人もいる。最低限度の生活の権利が侵されていることを知ってほしい」。令和の時代になっても問題が相次ぐ。何が原因で、解決の糸口はないのか。1950年に制定された生活保護法。当時の厚生省の若き役人が、制定時の様子をまとめた記録が見つかった。敗戦で貧しい日本の中で作られた、「気高き法律」だった。
生活保護の改善に尽力する専門家は熱く語る。「今こそ、この法の理念に立ち返り、正しい制度の理解をすべきだ」。日本国憲法第25条「生存権」に基づき、国がその責任で困窮者を救済する画期的な法律…「生活保護」。揺れる“いのちのとりで”の今を追う。