情熱大陸
ドキュメンタリー/教養
情熱大陸🈑
演劇と映像の垣根を越えて
名だたる俳優たちを魅了する30歳
11月24日 日曜 1:15 -1:45 AKT秋田テレビ1
実力ある俳優たちが、こぞってその人の作品に出たいと願う。脚本家や演出家にとってこれほど冥利に尽きることはないだろう。加藤拓也はそんな存在だ。ここ数年、彼の作品に関わった俳優の名前を挙げるだけで、大作映画が何本もできてしまうほど。
演劇のフィールドからスタートし、今やテレビドラマや映画の脚本・監督も務め、唯一無二の世界観を持つ作品を生み出し続けている。魅力は、人間関係の機微を描き出すリアルな会話。
時にはお互いの不倫が露呈し、破綻した関係を続ける夫婦。時には意図せぬ妊娠に戸惑う大学生カップル。30歳という若さで、なぜこうも様々な局面に立たされた人間の心情を、痛切なリアリティで描くことができるのか。岸田國士戯曲賞の選考委員を務めた野田秀樹は「人物描写が巧み」で「人間の普遍性にまで届いている」と賛辞を惜しまない。
取材が始まったのは2年以上前。気鋭の脚本家を取材するからには脚本執筆の様子を撮影させ
てほしいと、顔合わせの席でオーダーすると「これから書く脚本の初演は2年後、ロンドンの劇場です」との答え。これは腹を括るしかないと2年越しの取材が始まった。
その間にも門脇麦主演の映画「ほつれる」、安達祐実主演の舞台「綿子はもつれる」、堤真一主演のドラマ『滅相も無い』など、取材先には豪華な俳優陣と彼らを演出する加藤の姿があった。
そしてロンドンでの舞台上演に向けた、オリジナル作品の執筆。
物語の設定は月面移住が現実のものになろうとしている近未来。加藤は入念なリサーチを経てプロットを固めてから、1日に2ページほどというペースで執筆を進めてゆく。そこで取材カメラは、知られざる創作過程と意外な横顔を見ることになった。
なぜ加藤は俳優たちから愛されるのか?なぜリアルな会話を紡ぐことができるのか?そのヒントが、最小限の家財道具しか置かれていない1LDKの部屋に詰まっている。
-
出演者
加藤拓也(脚本家・演出家)