テレビ寺子屋
🈐テレビ寺子屋【ちょうどいいわがまま という生き方/鎌田實】#2385
「ちょうどいいわがまま という生き方」
鎌田實(医師・作家)
11月17日 日曜 5:30 -6:00 めんこいテレビ1
国連が発表している「幸福度ランキング」というものがあります。「健康長寿」や「平均寿命」も指標になっており、日本は順位が上がっていいはずなのに137カ国中47位(2023年版)と、どうもあまり幸福でない国のようです。なぜかと考えると、個人の選択肢の自由度が低いからではないか。「我慢は美徳」と子どもの頃から教えられたり、空気を読まない、読めないとみんなから「困ったやつだ」と弾かれてしまったりする。
そういう圧力がこの国にはあるのだと思います。ランキングの大事な指標「個人の選択肢の自由度」をもっと上げる。自分の人生ですから、岐路に立った時に自己決定できているかどうかが大事で、そこがきちんとやれていくと幸福度が上がっていくのではと考えたのです。覚えておいてもらいたいのが、「打たれにくい出る杭」。プレッシャーをかけられてもちょっとだけ出ちゃったら、結構自由度は上がってくるのではないでしょうか。
できるだけ自由に自己決定をしながら、でも、わがまますぎていいことなんてないわけです。それは人生をつまずかされる可能性があります。人を大事に、親切にすることや、悪口を言わないことなどをちゃんとしていたら、少し「ちょうどいいわがまま」を意識して今まで以上に自分を表に出してみる。すると、人生が面白くなったり魅力的になったりして、この日本の幸福度が上がるのではないかと思います。
子どもが一人ひとり違うように、親だって一人ひとり違うはず。だから子育ても十人十色。いろんな子育てがあるわけです。テレビ寺子屋は、母として家庭人として、戸惑い、解決の糸口を見つけたいときに「あっ、私もそう思っていた」と共感できる場。たくさんの人の意見に触れ、考え方を参考できる場でありたいと考えます。時代を意識した番組づくりを目指して、新しい世代に向けた、生きたメッセージを発信していきたいと思います。