知られざるガリバー〜エクセレントカンパニーファイル〜

ドキュメンタリー/教養

知られざるガリバー

創業138年の老舗筆記具メーカー 大ヒット!世界初のシャープペン 22種の濃淡表現!デジタルペン 三菱鉛筆

9月28日 土曜 23:00 -23:30 BBCびわ湖放送1

今回のガリバーは、老舗筆記具メーカーの三菱鉛筆。年商は約748億円。主要製品の売り上げ構成による上位は、ボールペン・サインペン・シャープペンで、その3種類で85%以上を占めています。国内・国外比も国外が約53%というグローバル企業です。今回番組で取り上げるのは、イチオシ商品のシャープペン「クルトガ」と、その後継品「クルトガ ダイブ」。
「クルトガ」の名前の由来は「ペンの先がクルクル回って、トガリ続ける」というもの。研究開発から販売まで3年を要しました。2008年の発売以来すでに累計1億本を突破する大ヒット商品です。三菱鉛筆の前身は1887年に眞崎仁六が創業した眞崎鉛筆製造所。1952年に社名を三菱鉛筆としました。1958年に発売した高級鉛筆「ユニ」は現在も製造・販売される同社の顔であり、超ロングセラー商品です。
順風満帆だった企業経営に翳りが見えたのは2000年代のバブル崩壊でした。企業での文具購入需要が減り、頭打ちに。そこで個人向けの筆記具開発に注力する戦略に舵を切りました。常に売上の5%程度を研究開発に投資をしているという中から再びヒット商品を生み出していきます。その1つが「クルトガ」。その秘密は「クルトガエンジン」と名付けられた「書くときに紙面から受ける力を回転する力に換える」仕組みでした。
そしてこの仕組みができたことで、さらに発展させたのが「クルトガ ダイブ」です。今度はペン先がトガるだけではなく、自動で芯が出る仕組みを加えました。クルトガ発売から14年後の2022年のことでした。 5500円という価格ながら、現在生産が追いつかないほどの大ヒットを記録しています。こうして三菱鉛筆はアナログな筆記具に高い付加価値を付けることで、新しい可能性を見いだしているのです。