ドキュメンタリー/教養

映像’24「国家の嘘と報道の任〜北朝鮮帰国事業65年〜」🈑

かつて「地上の楽園」と呼ばれた北朝鮮。だが実際は困窮した自由のない生活…なぜメディアは国家の嘘を見抜くことができなかったのか。当時の証言から考える報道の役割とは

9月22日 日曜 5:00 -6:00 MBS毎日放送

映像’24「国家の嘘と報道の任〜北朝鮮帰国事業65年〜」🈑

かつて「地上の楽園」と呼ばれた国があります。北朝鮮です。帰国事業は、1959年から1984年の間に行われ、実に9万人以上の人たちが海を渡りました。その中には、配偶者など6730人の日本人が含まれています。けれど、実際は「地上の楽園」の生活とはほど遠く、監視社会の中で食うに困る日々を強いられることに。  
大阪・八尾市に住む斉藤博子さん(83)は「3年したら日本に帰れる」という嘘を信じ、在日朝鮮人の夫と帰国事業に参加した日本人妻のひとりです。   困窮した自由のない生活を強いられ、6人いた子どものうち4人と夫は、餓死や病死しました。斉藤さんは、単身で2001年に中国を経由し脱北します。斉藤さんたち脱北者4人はいま「騙され人生を狂わされた」として北朝鮮政府を相手に損害賠償を求めて裁判を闘っています。
東京地裁では除斥期間を理由に敗訴しましたが、去年東京高裁は、出国させずに留め置いたことに関しても日本で裁判ができ、時効ではないとして地裁に差し戻しました。 帰国事業を巡っては当時、訪朝団に参加した新聞記者が好意的に報じたことで帰国事業をあと押ししたと指摘されています。 なぜ、メディアは「国家の嘘」を見抜くことができなかったのか。当時、記者だった人たちからの証言を得て報道の役割を考えます。