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ドキュメンタリー/教養
<サンデードキュメンタリー>ザ・ノンフィクション特別編 芸に命をかけた人
不適切なほどの過激な芸で知られる電撃ネットワークのリーダー南部虎弾…数々の病で舞台に立てない危機を救ったのは妻がくれた腎臓…芸に命をかけた男と妻の35年の物語
9月15日 日曜 12:00 -14:00 BSフジ・181
世田谷の小さなアパートで小さな食卓を囲む夫婦は、特別な絆で結ばれていた。
70歳を過ぎた夫は、過激な芸を売りにするパフォーマンス集団「電撃ネットワーク」のリーダー・南部虎弾。テレビに引っ張りだこだった全盛期には、月収が1000万円を超えることもあったというが、貯金もせず、芸にすべてをつぎこんでしまう南部がぜいたくな暮らしをすることは一度もなかった。
1990年に結成された電撃ネットワークは、
体を張った芸でブレイクするも、次第に「不適切過ぎる芸」と見なされ、テレビに出られなくなる。
南部は、日本での活動に限界を感じ、活躍の場を世界に求めた。オーストラリアを始め、各国での公演は大成功。「TOKYO SHOCK BOYS」の名は、またたく間に世界に知れ渡ることになった。電撃は、世界に初めて通用した日本の芸人だったのだ。
しかし、過激な芸と不摂生は、南部の体を痛めつけていく。2011年に糖尿病と診断、
2017年には、心不全を起こし、バイパス手術で一命を取り留める。芸人・南部虎弾の体は限界だった。それでも「生涯現役を貫きたい」という願いをかなえたのは、18歳年下の妻・由紀さん。「私の腎臓を一つあげてもいいよ」。こうして2019年に行われた妻から夫への「夫婦間生体腎移植」。妻からもらった“命”で南部は再び舞台に戻り、芸人としての復活を果たした。そして、腎移植から5年…地方公演に行く前夜に南部は脳卒中で倒れ、
そのまま帰らぬ人に…
35年、ハチャメチャな夫に連れ添った妻の由紀さんは、南部をみんなで明るく送り出したいと、ド派手な衣装を身にまとい、葬儀の喪主をすることになった。
ザ・ノンフィクションだけが撮影を許された、前代未聞の「お葬式」でカメラは妻の深い悲しみを目撃することになる…