ドキュメンタリー/教養

日本のチカラ🈑

映画館がない街なんて 〜立ち上がった主婦〜

5月20日 月曜 9:30 -10:00 TOKYO MX1

兵庫県北部で唯一残っていた映画館・豊岡劇場が、去年8月休館。このまま映画館を無くしてはいけないと立ち上がった人がいました。劇場のパート従業員だった田中亜衣子さん(当時35歳)です。田中さんは3人の娘を持つ母親でもありますが、支配人に手を挙げました。この田中さんの思いに触れ、手助けをする人も。兵庫県立大学で経営を学んでいる4年生の橋本泰樹さんです。
この二人で豊岡劇場の復活に挑戦することになりましたが、二人は経営の素人。復活できるのかは全くの未知数。まずは、復活に向けて動き出していることを周囲に伝えるところから開始。と同時に、豊岡劇場を運営するための組織づくりも進めました。そして非営利の一般社団法人豊岡コミュニティシネマを設立。
「みんなでつくる、みんなの豊劇」をスローガンに掲げ、多くの人との連携を打ち出しました。劇場再開の目標は2023年春。ただし、その条件として、個人や法人に有料の会員(サポーター)になってもらい、300万円の資金を達成することを条件にしました。
田中さんが思っていた以上に、協力してくれる人が現れます。「毎日奇跡のようなことが起きています」と田中さんが感じるほどでしたが、資金は思ったようには集まりません。田中さんのやり方を批判する人もいました。このままでは、再開が危ぶまれる状況に…。
しかし、年が明けたあたりから、田中さんは手ごたえを感じるようになります。そして2月12日、見事300万円を達成。劇場復活の日を3月25日と決めました。
田中さんは、どうしてここまで踏ん張ることができたのか…それには、理由がありました。夫の栄介さんは、中学校の同級生。二人が初めて一緒に映画デートをしたのが豊岡劇場。そして、夫の栄介さんと見た映画が、その後の田中さんに大きな影響を与えたのでした。映画館復活に挑んだ一人の主婦の涙と笑顔の奮闘記です。

  • 出演者

    【ナレーション】 桂紗綾(ABCテレビアナウンサー)