テレビ寺子屋

ドキュメンタリー/教養

テレビ寺子屋【塀の中の診察室/おおたわ史絵】

「塀の中」で受刑者たちを診療する「プリズン・ドクター」。おおたわ史絵さんが語る「塀の中の診察室」の様子と、受刑者たちが医療を受ける意味とは?

6月20日 土曜 4:52 -5:22 フジテレビ

テレビ寺子屋【塀の中の診察室/おおたわ史絵】

私は2018年から法務省の矯正医官(プリズン・ドクタ―)として「塀の中」で受刑者や被収容者の診療・健康管理を行う医師をしています。「塀の中」の診察室では一般的な診察室と違う点がいくつかあります。診察机の上は常にきれいで物がなく、ボールペンなど凶器になりかねない物を絶対に置いたままにしてはいけません。そんな話を聞くと怖い印象を持つかもしれませんが、私は刑務所の中で怖いと感じたことは一度もありません。
徹底した安全対策がされており、診療に専念することができます。また、罪を犯した人に医療が必要なのか?という意見もあるようです。私自身も受刑者たちが犯した罪は許していませんが、治療をする理由があります。受刑者たちには工場業務といった刑務作業が科せられ、彼らは働くことによって世の中に還元する役割も担っています。もし、病気で寝たきりになった場合には、食事やおむつなどの費用は大事な税金から捻出されます。
ですから医者として、働けるだけの心と体を守り、健康的な生活の指導をする必要があるのです。受刑者の中には生育環境が悪く、両親の顔を知らない、義務教育を受けられなかった、という人もいます。懲役の義務を果たしながら、健康の大事さと人間らしい生活を教わっていくことで、再犯の抑止につながっていくのかもしれません。心身ともに健康でその義務を果たせるよう、矯正医療は大切であり、意味があることだと思っています。

  • 出演者

    【講師】 おおたわ史絵(総合内科専門医)  【司会】 北村花絵(テレビ静岡アナウンサー)  【手話通訳】 石川ありす