鬼平外伝正月四日の客
ドラマ
🈑鬼平外伝正月四日の客
時代劇スター・松平健と演技派・柄本明が、池波正太郎の世界に挑む!!
3月22日 土曜 14:30 -16:00 BSフジ・181
寛政三年正月四日。
本所・枕橋に〈さなだや〉という名の小さな蕎麦屋があった。
この店では、主の庄兵衛の定めた慣わしで、正月四日には毎年、信州の〈さなだ蕎麦〉だけを客に出していた。
ねずみ大根の汁を合わせたこの蕎麦は舌が曲がるほどに辛く、それを知る客は誰も足を踏み入れようとしなかった。
しかし、偶然店を訪れたひとりの男がいた。
大店(おおだな)の主人風のその男は、誰もが敬遠するその味を懐かしみ、次々と蕎麦を平らげた。
そして、正月四日にしか味わえないことを知ると、「来年また来る」とだけ告げて去っていった。
翌年も、その次の年も男は現れた。
男との不思議な交流が何年も続いていくうちに、庄兵衛は正月四日の客に親愛の情を抱きはじめていた。
そんなある日、庄兵衛は店を訪れた御用聞きの清蔵から、火付盗賊改方が長年追っている腕に刺青のある盗賊の話を聞き、一抹の疑念が胸をよぎる――。
そして迎えた寛政七年正月四日。
庄兵衛はある決意を胸に、正月四日の客を待っていた――。