テレビ寺子屋

趣味/教育

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「思いがけない出遇い」
川村妙慶(僧侶・アナウンサー)

10月6日 日曜 5:00 -5:30 関西テレビ1

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人生は思い通りになりません。人生には三つの坂があるといわれています。上り坂、下り坂、そして「まさか」です。そして人には二面性があります。自分の立場をわきまえた表向きの顔、そして内面にある本当の自分。思いがけない出来事によって本当の自分に出遇うことがあります。人が思いがけない行動をとるのは「誰もいなくなった時」「突然の出来事に遭遇した時」そして「怒った時」です。しかし、これは悪いことではありません。
私は僧侶として生きる予定はありませんでした。お寺の娘として生まれましたが、思いがけない出遇いが縁で仏の道に入ることになりました。そして、30代半ばになった時のことです。友人の僧侶から「法話をしてくれないか」と頼まれました。最初、私はこの依頼を断りました。すると友人は「妙慶さん、恥をかいたらいい」というのです。
「一方的に教えるという姿勢ではなく、わからないことは素直に認めて、お互いに学び合い、そして育ち合えばいい」という意味でした。まさしくこれが「共育(きょういく)」です。一般的な「教育」で教えることも大切です。しかし自分が一つ高いところから教えるのではなく、共に育っていくことの大切さも教わりました。「恥をかく」こともある意味背中を押してもらうきっかけになります。これも思いがけない出遇いです。